間取り満足度31.5%

比較的大家族でも過ごせそうな、広いリビングを有する4LDKの豪華な物件。しかし、家族の一人一人が互いにコミュニケーションを取らなくても日々を送れてしまうという観点から、辛めの採点となり、満足度は31.5%という結果になりました。とにかく「勿体無い」というところが随所に見られるケースです。

 

リビングが玄関から精神的に遠い

南側にテラス、東側に出窓がある、採光を意識した19.5帖の広いリビングダイニング。6帖の和室からも出入りでき、おそらく引込み戸のようですので、1.8mの出入口となり、フルオープンにすると25帖を超える大空間。

ここまで聞くととても理想的なリビングのように思えるのですが、しかしそれは、家族の皆がここに集まることが習慣化し、暗黙のルールとなっている場合のこと。よく見ると、玄関から入ってリビングまで廊下が続き、しかもお子さんたちはリビングに近づくこともなく2階の自室に行くことが出来てしまいます。

これではお客さんも友人を招待しづらいですね。しかも昭和の家に多い、玄関正面のトイレ。玄関は意外と訪問客が来るんですよ。

 

主婦一人分のスペースのキッチン

せっかく大人数が集まれそうな広さのリビング大人なのに、キッチンへの動線上の幅は90センチが基本。これでは大人二人が一緒に作業することが難しく、台所仕事を家族で自然な雰囲気で楽しむことができないかもしれません。

勝手口があるようですが、おそらく車庫は和室の南側か玄関側でしょうから、たくさんの買物荷物は基本的に玄関から廊下を通ってキッチンに運ぶしかありません。その間の動線幅は全て90センチ。両手に荷物を持っているなら、体を拗らないと通れないかもしれませんね。

 

2階の一番いい場所、どう使うかが鍵

注目したいのは、2階の11帖の洋室。おそらくここがこの世帯の夫婦の寝室でしょう。リビングの上にありますから、南向きで東側にも小窓があり、まるでリビングのように過ごせる素敵な場所です。

しかし、日中、衣装とベッドしかないようなこの部屋で、誰が何をしようというのでしょうか。実は夫婦室というのは、日中はほとんど利用されることがない「デッドスペース」になりがちです。もちろん、子供が大きくなると子供も帰宅時間が遅くなりますから、子供部屋も日中は使われないこともあるでしょう。

二階のバルコニーに洗濯物を干すということは、寝室を通らなければならないということになります。個室なのか公共スペースなのか、その線引きも曖昧になります。

グルニエ(屋根裏部屋)もあるようですが、おそらくここは荷物置き。一番良い場所に、昼間は誰もいない、そしてたくさんの荷物を収納する部屋を持ってきてしまったという、日本の住宅思考の典型的なパターンですね。

 

1階にリビングがあり、2階に寝室をまとめる場合、一番良い位置に誰の部屋を持ってくるのか、というのがとても悩むところとなります。

家の形状が正方形に近ければ近いほど間取りは自由度が増しますが、土地の形状やお庭・車庫との兼ね合いで家の形がこうなってしまったというのがおそらく背景にあるのでしょうけれども、もしも敷地内でもう少し自由に家の形を考えることができたのであれば、もう少し工夫できたかもしれません。

ちょっと勿体無いですね。