History of Saimaru

敏腕営業マンだった私が目の当たりにした、現実

かつて、ツーバイフォー工法による住宅が日本に入り、高級輸入住宅業者としてトップセールスを記録する敏腕営業マンだった私が、とあるお客様を久しぶりに訪問した際に、衝撃を受けたことがありました。

あれだけ真剣に悩み、試行錯誤を繰り返し、最終的に「これはいい家だ!」と感動して住み始めたにもかかわらず、数年後のその家に、家族の幸せな面影がなかったのです。

私の中で、何かが崩れていくのを感じたのです。

「住まいって、こんなものじゃないはずだ」
「家づくりって、もっと根本的に考えなければいけないはずだ」

住宅購入や家づくりに、まさに「人生を掛けて取り組んでいる」お客様の姿勢を目の当たりにし、自分の仕事に自信と誇りを抱いていた私は、それまで『夢のマイホーム』『幸せのマイホーム』というキャッチフレーズが横行していた住宅業界において、それはまさに『まやかし』だったのではないか? という疑念に襲われました。

仕事でたくさんの輸入住宅を扱っていたため海外先進国の住宅に触れる機会や調べてみるキッカケはたくさんありましたが、そこで、ふと、「日本に入ってくる段階で何かが変わっているのかもしれない」と思ったのです。

「海外先進国では、どんな家に住んでいるのか、どのように建てているのか、そこでどんな生活をしているのかを、自分の目で確かめたい」と思うようになり、私は複数回にわたって欧州諸国に向けて住宅研究旅行に出掛けました。

 

欧州諸国で見出した、日本との住宅事情の違い

様々な建築家との出会いと、熱いディスカッションを通して気付いた、海外先進国と日本の住宅との大きな違いの一つは、「建て替え寿命」寿命でした。

調べれば調べるほど、長持ちする住宅の社会的メリット、経済的メリットは大きく、そこで暮らす家族の未来への考え方は、日本のそれとは全く異なることに注目しました。

海外先進国においては100年住宅は当たり前。それなのになぜ、日本では30年前後で建て替える住宅が売れるのか。

その理由を徹底的に追求し、日本の住宅メーカーが浸透させた住宅仕様や営業スタイルにメスを入れました。

海外との本質的な違いを理解せず、小手先を駆使した営業トークで住宅購入や家づくりにおけるユーザーの考えを誤導されないように執筆した、「住宅で失敗しないための7つの自己防衛策」を執筆したのは、この頃のことです。

この本は増刷を重ね、多くの建築関係者にとっても営業を見直すバイブルとなり、今でもこの本の読者からの問い合わせは続いています。

そうして私は、研究旅行から得られた知見を生かして、「100年住宅」を中心とした住宅コンセプトを掲げ、独立後、海外から材料を調達して日本における100年仕様の住宅モデルのビジネスを展開したのです。

 

住宅の使い方に目を向けたイギリス仕様

海外住宅の視察先となったイギリスで出会った、築400年の木造ホテル。その古い建物からは想像もできないほど最新の設備で満たされた内装。イギリス特有の寒さが全く感じられないどころか、窓や空調設備、水まわりやキッチンに到るまで、現代の技術とライフスタイルに住環境が追従しているという文化。

驚愕されられました。

そこには、イギリス人の優雅な暮らしぶりが反映された、日本の主婦がまさに夢見る世界が広がっていたのです。

根底に流れる住宅建築コンセプトは、やはり「長持ちする家づくり」でした。そこで得られた研究成果を元に発刊した「女性のための賢いイギリス伝統の家づくり」は、ハード面に弱いと言われていた女性読者からの問い合わせが殺到し、松岡のプロデュースする家で暮らしたいというユーザーからの依頼が後を絶ちませんでした。

 

100年使えることと、100年持つこととの違い

さらに研究を重ねて見えてきたことは、海外先進国における「家での過ごし方」が日本とは異なるということでした。

海外生活を送った経験がある方や、海外のホームドラマなどをご覧になったことがある方ならわかると思いますが、海外先進国では、頻繁にホームパーティーを開いたり、そこで楽器演奏やゲームを楽しんだりするシーンが日常化しています。

しかし、20世紀の戦後の日本の住宅では、日曜日には一家の主人がリビングでゴロゴロしながらテレビを観てくつろぎ、妻も子供も「外で楽しむ」というライフスタイルが日常化してきたのではないでしょうか。

家族が家の中でその「暮らしを楽しむ」という文化は、なかなか日本では浸透していなかったように思えます。

日本と海外の住宅の違いは、主に「家の使い方」にありました。

その事に気付いた私は、「お手本となる間取りと暮らしを実現する自宅を建てよう!」と決意し、そのためのエッセンスを盛り込んだ、「もっと『いい家』ができる」を発刊。建築した自宅の写真を盛り込んで、「100年経っても壊れない家」ではなく、「100年経っても使いたい」家の理論を展開したのです。

この本に対しては、ユーザーからの問い合わせが殺到しただけでなく、建築関係者からのクレームや嫌がらせの電話が増えた事に驚きました。

これまで当たり前のように日本の「30年で壊してしまう普通の家」を作っていた他の建築関係者から、「これでは日本の住宅が売れなくなるからやめてほしい」という不可解なコメントが届くようになりました。

 

3.11で明らかになった、松岡邸の実力

そんな矢先に、あの3.11東北大震災が発生しました。

未曾有の被害をもたらし、国の経済やその後の日本人の価値観までも大きく変えたあの大災害において、松岡邸が建っていた周辺でも大きな揺れによる破損や事故が生じていました。

ところが、松岡がプロデュースした住宅のほとんどで、「揺れがある前と何も変わらない」「ほとんど揺れを感じなかった」という報告が多数寄せられたのです。

こうした事実を元に、家族の声も掲載した「大震災に勝つ! 100年持つ! 最高の木造住宅を『安く』『無垢材』でつくる方法」を発刊。自宅である「クリスタル・ハウス松岡邸」を見学に訪れるユーザーも増加し、「木造住宅を見直すきっかけになった」「日本の材料でもこんな住宅が建てられることが分かった」という喜びの声が届くようになりました。

 

より力を入れてきた、住み続けたい「間取り」

100年住める、ホームパーティーやイベントを生活に盛り込んだ住宅。日本とは全く考え方が異なる、海外先進国における住宅の間取りのメソッド。

住宅プロデュースの一環として松岡が長年取り組んできた、海外と日本の住宅の違いをニュートラルに学ぶことをテーマにした「家づくり勉強会」には、これまで延べ2万3千人以上が参加してきました。

この勉強会で特に力を注いできた分野が、家族のあり方に伴う家の使い方とそれを実現する「間取り手法」です。

2012年から開始した「ハウジング・クリニック 住まいの採点帳〜間取り満足度診断〜」では、平面図や立地・構造仕様などからその住宅に暮らした場合の満足度を定量的に判断できる仕組みを考案し、理想的な住環境を生み出すための「ベーシックライン」を確立。

これにより、それまで様々な住宅メーカーや工務店、設計士が提案してきたプランニングを一般のユーザーが評価できる仕組みが完成し、プロの実力を間取りから診断したいとする相談者が増加。勉強会のテーマも、ハード面が中心だったトピックが、ソフト面、ライフスタイル面、そして家族の生活環境といった分野にまで広がり、ますます充実化して行きました。

 

そして出会った、100年住宅最後のピース

理想的とも言えた、海外の100年住宅仕様をコンセプトにした住宅メソッドですが、一つだけ大きな問題がありました。

それは、シロアリなどの害虫や湿気による耐久性の低下に対して、日本の住宅技術が満足のゆく解決策を提供して来なかったことです。

しかしこれも研究を重ねることにより、アメリカをはじめとする先進国では健康被害と住宅建築との関連がしっかりと組み合わされていることが分かり、結果として害虫忌避や耐久性向上を実現している仕様が明確になりました。

それが、「ホウ酸処理材」を用いた家づくりなのです。

これまで提唱してきた「100年住宅」をさらに屈強に、しかも一層安価に実現できる仕組みが完成しました。

 

ひ孫の代まで生き続けたくなる、100年使える家

30年以上にわたる住宅業界での経験と研究から見い出した、他の住宅メーカーや工務店とは全く異なる松岡流の住宅建築メソッド。

100年住宅に必須とされる要素は、ついにそのピースが完全に揃いました。

・耐震等級3を実現する、災害にも強い頑丈な家
・家族構成やライフスタイルに追随できる、100年後も使い勝手が良い間取り
・住む人の健康を害することのない、医学的に見て理想的な住環境
・害虫や湿気の影響を受けない、高耐久で安価な仕様

それは、建築業者の一方的な意見で作り上げたのではなく、2万人を超えるユーザーとの意見交換で得られた知見や実体験を反映させた、実用的で実際的、かつ理想的な家づくりです。

その理想的な住宅を作るのに活躍するのは、他でもない、施主自身。ユーザーの皆さんが「セルフ・プロデュース」する考え方で、「100年経っても使える=誰もが使いたいと思う」暮らしやすい家を実現するのです。

住宅業界に生涯をかけた研究と実績を元に、これまでのノウハウをユーザーに伝授し、住む一人一人が「いい家のプロデューサーになれる」家づくりを、松岡は目指してまいります。