キッチンは、とかくモノが多く、危険なものもあり、作業時間も長いという点で、家の中でも特異な場所となります。

そのキッチンが使いやすいか、家族が集まりやすいかなど、押さえておくべき数多くのポイントがあるのですが、その多くが意外と見過ごされていると感じます。

プランニングの時点でしっかりと把握し、見直しておくべき4つのポイントについて考察してみましょう。

 

頭より高い位置に食器がありますか?

地震の時に建物が倒壊することも避けたいですが、建物内で倒れてきた家具食器が原因で大けがをすることも。モノがあふれているご家庭も多く、必要最小限のもので生活していることは稀な時代。

東日本大震災でも、食器が落ちてきて割れた破片で怪我をした人も少なくありません。地震対策をしている食器棚でも、中の食器まで対策されていることはほとんどありません。

もしも食器棚が大きく、特に子供たちの頭よりも高いところに食器が収納されているとしたら、今すぐ改善を図りましょう。

例えば、棚を壁面に置くケースが多いようですが、逆転の発想で、対面式キッチンの背中側を食器棚スペースにするなら、背の低い食器棚でも意外と多くの量を収納できるものです。

 

同時に何人が作業できる調理スペースですか?

料理は一人でするのも良いですが、家族みんなで、または友人たちと一緒に楽しむというのも実際にはとても良い人間関係を築きます。

ところが現代の日本の住宅では「一緒にキッチンに立って作業する」文化と仕様がほとんど見られないような気がしませんか?

調理台は包丁作業だけではありません。捏ねたり混ぜたり水切りしたりと、たくさんのステップがあります。お手伝いしたくても調理場が狭くて「邪魔よ!」となってしまうとすれば、せっかく家族がコミュニケーションを取りながら一つの作業をすることができる機会なのに、気まずい時となってしまいます。

キッチンは一人の作業場と考えてはなりません。少なくとも2~3人が同時に調理作業ができるよう、仕様を考え直してはいかがでしょうか?

 

朝一番の仕事場として、電気を点けなくても明るい?

朝、暗くて寒い台所に何年も立つということが心理的に与える影響について想像してみてください。毎日毎日、何年も何十年もその状況で、奥さん、お母さんが台所作業をするわけです。家族の他の人が寝室でまだ休んでいる間にも、です。

台所が朝の光で明るくさわやかですと、それだけで作業は楽しくなります。また、そのような明るくて過ごしやすいキッチンには、家族のみんなも自然に足を踏み入れたくなります。「お母さん、おはよう!」がとても気分良く、自然な日常になります。

キッチンはできるだけ東側に持ってくるのが良いでしょう。とはいえ、大きな窓を設置して外光をたくさん取り入れられるなら、西側でも大丈夫。その場合、西日が差しこんで難しいと思われるかもしれませんが、ブラインドなどを活用して、朝は明るく、夕方は光をさえぎるということは簡単です。

とにかく大切な考え方は、朝6~7時に台所が自然の光で明るくさわやか、ということなんですね。

 

玄関や勝手口から遠すぎませんか?

食料品を買ってきて、家に入ってから台所の冷蔵庫や食糧庫にしまうという、一見なんでもない日常のこの作業は意外と大変なものです。買い物は週に何度か必要ですので、その都度、大変な思いをして運ばなければなりません。家庭のごみは多くの場合、台所に集まりますから、ゴミ出しをするにもすぐに外に出られないと不便ではありませんか?

また、台所作業をしている時に家族が帰宅することも多々あります。誰かが出掛けるときには台所作業中に手を止めることも容易ではない場合があります。そんな時、きちんと顔を見ながら「いってらっしゃい」「お帰りなさい」ができるでしょうか?

玄関から台所が丸見えになるのは避けたい、と思うのは自然の感情でしょう。しかし、距離が遠すぎて家族のコミュニケーションが阻害されたり、利用の不便さを毎日感じたりするようであっては、そこに何十年も住むことにストレスを感じますね。

 

全てを満足するキッチンは、予算や土地の観点から難しいでしょう。それでも、何を優先すべきかが分かっていれば、自ずとプランニングの方向性が見えて行くものです。ぜひ使いやすいキッチンを作ってください!

 

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